6まちのみどり・環境を考える
都市農地の保全・活用
近年、都市農地は、農産物の生産・供給だけでなく、防災、景観、農業体験・学習、交流の場等、都市の暮らしを豊かにする多くの機能が期待されています。
2015(H27) 年の都市農業振興基本法の施行等をきっかけに、これまで「宅地化すべきもの」とされていた都市農地の位置づけが「都市にあるべきもの」へと大きく転換しました。具体的には、新たな用途地域「田園住居地域」の創設、都市緑地法一部改正・都市農地賃借円滑化法施行などによる生産緑地の運用の柔軟化などが挙げられます。
首都研では、様々な都市計画制度等の手法を活用し、まちを豊かにする要素としての、都市農地の保全・活用を支援していきます。
- みどりの資源(農地、公園、樹林地、樹木等)に関する現況調査(データ整理、現地調査)
- 農地等の所有者、営農者の把握(登記簿等の整理)
- 営農者の意向把握(アンケート/ヒアリング等)
- 都市計画制度の活用による農地保全施策の検討
- 都市農地の保全制度の検討
発注者:東京都練馬区 期間:2018(H30)年度
練馬区は都心近くにありながら23区内で最も広い農地面積を有しています。南大泉三・四丁目地区も住宅地に多くの農地が残り、区民・市民農園や農業体験農園、摘み取り体験のできる果樹園等、市民が農にふれられる場所が点在しています。
首都研では、当該地区の「農の風景育成地区」への指定に向けて、当該地区内の生産緑地、宅地内農地、公園・緑地及び樹林地等の現況調査、各資源の所有者の把握を行い、当該地区の農ある風景資源の現況を整理するとともに、当該地区内の営農者へのヒアリング調査を行い、それらを踏まえて農の風景育成計画書案及び構想図案を作成しました。
「農の風景育成地区制度」は2011(H23)年に東京都が創設した制度で、農地や屋敷林などが比較的まとまっている地区を「育成地区」に指定し、「農の風景育成計画」にもとづいて農のある風景を計画的に保全・育成し、将来に引き継いでいくことを目的としています。
当該地区は、2019(R1)年12月に東京都で4番目となる農の風景育成地区に指定されています。
【参考URL】
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/shigoto/midori/keikaku/nou_no_huukei_ikusei.html
- 東京都世田谷区生産緑地保全方針策定
- 東京都府中市農地保全基礎調査
- 東京都日野市農のあるまちづくり計画策定、農業振興計画策定