5災害に備える
密集市街地の改善
関東大震災による被災に伴う都市周縁部への疎開、高度経済成長期の人口流入などにより、首都圏域では多数の密集市街地が形成されました。以来数十年、密集市街地の特に防災面での改善は大きな課題となっています。
首都研では設立当初より、首都圏域の密集市街地において、住民参加型、修復型による災害に強いまちづくりの支援に取り組んできました。
子や孫の代まで安全で安心に、快適に住み続けられるまちを目指し、道路や公園などの整備計画づくりや、ワークショップ手法による公園等のデザイン検討支援、まちづくりイベントやまちづくりニュースによる意識啓発などを行っています。また、各種改善に向けた事業の導入検討や導入後の事業評価、助成制度の導入検討支援などにも取り組んでいます。
- 土地・建物等に関する現況調査(データ整理、現地調査)
- 居住者・権利者意向把握(アンケート/ヒアリング等)
- まちづくりニュース発行支援
- まちづくり協議会等の支援(資料作成、会の運営、提言書作成支援)
- 整備計画の作成支援(道路整備、公園整備、建替え促進、共同化検討)
- 事業計画の作成支援(事業量/事業費の検討)
- 事業の費用対効果分析
- まちづくり相談会の支援
- 地権者折衝支援(資料作成、権利関係整理、ヒアリング調査補助)
- 共同建替えの事業コーディネート(関係権利者の意向把握、建築計画・資金計画の検討、地権者組織設立・運営支援等)
発注者:東京都、 東京都豊島区、 ㈶豊島区街づくり公社、 ㈶東京建築防災センター、 ㈶ベターリビング 期間:1983(S58)年度 ~ 2000(H12)年度 + 2002(H14)年度 + 2004(H16)年度 ~ 2024(R6)年度
当地区は都内有数の木造密集市街地で、1983(S58)年度に密集事業が導入された、修復型まちづくりの草分け的存在です。首都研では事業の導入支援以来、定期的な事業評価、幅員6mの防災道路の整備支援、辻広場の整備デザインの検討支援等、常に密集市街地での先駆的なまちづくりに取り組んできました。
近年は、当地区を貫く都市計画道路補助第81号線(幅員25m)の整備に併せた“沿道まちづくり”として地区計画の策定検討や協議会活動支援、裏側宅地との共同建替えなど住み続け方策の検討支援、都市計画道路用地でのイベント「81フェスタ」の開催支援等を行ってきました。
発注者:東京都品川区 期間:2007(H19)~2013(H25)年度
品川区中延にあった旧同潤会荏原住宅地は、1925(T14)年に建築された長屋建て住宅地ですが、業務実施当時、建物の老朽化と払下げ後の無秩序な増改築により、防災上危険な状態にありました。
首都研では、防災街区整備事業による共同建替えに向けた検討を行いました。
具体的には、事業計画の作成、事業の仕組みを紹介する地元検討組織での資料・ニュースづくり、数回にわたる個別意向調査(個別条件提示を含む)を支援し、準備組合設立に至るまでの初期の合意形成に貢献しました。
なお、同事業は2015(H27)年4月に都市計画決定、2019(H31)年に竣工しました。
【参考URL】
https://www.funenka.metro.tokyo.lg.jp/initiatives/disaster-prevention-block/nakanobu-2-chome/
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kankyo/kankyo-toshiseibi/kankyo-toshiseibi-shien/kankyo-toshiseibi-shien-missyuzyutaku/hpg000019482.html
- 東京都新宿区若葉地区、若葉・須賀町地区
- 東京都品川区東中延一・二丁目、中延二・三丁目地区
- 東京都大田区羽田地区
- 東京都世田谷区北沢三・四丁目地区
- 東京都中野区大和町地区
- 東京都豊島区雑司が谷・南池袋地区
- 東京都荒川区荒川・南千住地区
- 東京都練馬区北町地区
- 東京都足立区千住西地区
- 東京都江戸川区中葛西八丁目地区
- 埼玉県川口市芝地区
- 神奈川県横浜市中区鷺山竹之丸地区
- 神奈川県横浜市神奈川区六角橋北町地区
- 神奈川県川崎市川崎区小田周辺地区
- 神奈川県川崎市幸区幸町周辺地区